>>68【続き】
ドラマの中では、クライマックスになると〈恋なんてしないって決めてたんだよ〉という歌い出しが流れ、切ないメロディと共に、美々が予期せず落ちてしまった恋に戸惑う様子を表す歌詞が心にスッと入ってくる。福山の深みのある歌声から始まるこの歌い出しは非常に印象的で、ドラマの中でもドキリとときめくような展開が起こるときに効果的に挿入される。そして次第に〈こんなにも こんなにも 君のこと好きになってたんだって〉という歌詞につながると、美々が青林に夢中になっていく様子が手にとるようにわかり『#リモラブ』の世界に没頭してしまうのだ。
第8話では、岩手から訪ねてきた叔母に対して青林が、如何に美々を大切に思っているかを説くシーンがある。そこでは「会いたいなーって……どんどん、すっごく、めちゃくちゃ好きになってると思う」という台詞が使われた。この台詞こそ、美々の心情を描いた〈こんなにも こんなにも 君のこと好きになってたんだって〉の歌詞と呼応するものであり、お互いがますます惹かれあっていく様子が手に取るようにわかるのである。この楽曲が流れることで私たちは、優しく心地よいメロディと歌詞の切ない愛に胸を打たれ、なおさら美々と青林の気持ちに入り込んでしまうのだろう。