721話 レベッカと兵隊さん
スコッチに身体を飲み込ませるカリブー

レベッカ「………兵隊さんが……死んじゃう」

ルフィ「兵隊って…?」

レベッカ「片足の……オモチャの兵隊さん…」

ルフィ「オモチャ?コロシアムの入口でそんな奴に会ったぞ?」

レベッカ「ええ…きっと彼……」

囚人剣闘士「おれ達はコロシアムから出られねェ…外に用があっても何もできやしねェんだ」

ルフィ「オモチャが死ぬのが心配なのか 俺には生きてる方が不思議だけどな」

レベッカ「……他所から来たあなたにはわからないかもね…彼らは人間と同じよ 友達のいない人の友達になり 兄弟のいない人の兄弟になり 恋人のいない人の恋人になり……なぜ一緒に暮らしちゃいけないのかわからないくらい」
「私は…たった一人の家族だった母親を失ったその日から兵隊さんに育てて貰った…私にとって彼は…親も同然の人……!!」

ルフィ「へー…あれが…」

ギャッツ「お待たせ致しましたリング交換完了ー!!」

囚人剣闘士「レベッカ試合が始まるぞ!」

レベッカ「……うん」
「えっ…ちょっと何してるの!?ルーシー!!」

ルフィ「…さっきのドタバタでコロ弁2つ落っこちちゃって!ごめんな〜せっかくサイフ空にして買ってくれたのに 落ちてもウメェなしかし!!」

レベッカ「………」

ギャッツ「またしても強豪揃いのDブロック〜!!!」

ルフィ「お前囚人には見えねェ」

レベッカ「決勝で会いましょう」
「………」

係員「試合を再開するぞー!!Dブロック出場者リングへ〜!!」

-過去
レベッカ「お母さまー!!こんなにお花〜!!」

スカーレット「まあレベッカ おしごと手伝ってくれてありがとう町に売りに行きましょう」
母子で仲良く暮らす2人

国民「国王は一体どうなされたんだ!!?」「やめてくれェ〜!!」「リク王軍が村に火を放ったァ!!!」

スカーレット「王宮が……燃えてる…!!この国で何が起きてるの……!?」

兵士「お逃げ下さいスカーレット様ァ!!!ぐわァ!!!」
追って来る族の中にディアマンテの姿が

族「わ!!何だこのチビ!!そこをどけェ!!」

片足兵「走れー!!遠くへー!!」

-お花畑-
レベッカ「えーん えー…んお母さまおなかすいたよ…」

スカーレット「そうよねもう2日何も食べてない…レベッカ…少しの間1人でいられる?絶対にここを動かないって約束して…食べる物を買ってくるわね……」

レベッカ「うん」

族「どこへ消えた!!あのヤロー」

片足兵「ハァハァ」

レベッカ「！お母さま!?」

,,,,,,,

片足兵「ハァ…!!ハァ…!!ゼェ…!!まも…守れなかった…!!」

レベッカ「!!?」
スカーレットの死体を抱える片足兵

片足兵「すまない!!!キミの母さんを守れなかった……これを渡して欲しいと言われた キミが…お腹を空かせて待ってると…!!」

レベッカ「うう〜……ああ…!!」

族「階段に血痕があった…ここに隠れてるハズだ捜せ!!!」

レベッカ「……………!!」

片足兵(すまない すまない……!!すまない……!!!)
息を殺して泣きじゃくるレベッカ

片足兵「キミの母さんは…昔…えらい人だったんだ……」
「この国に新しい王様がやってきたのを知ってるか?新しい王様は…昔の偉い人達をみんな捕まえてしまおうとしてるんだ 偉かった母さんの血を引くキミも捕まえるつもりだ」

レベッカ「………………」

片足兵「キミの母さんは守れなかったが……!!命に換えてもキミの事は守りぬく!!キミがいつか幸せになれる日まで!!私はずっとそばにいる!!!」

レベッカ「お母さまがいい…!!お母さまを守れなかった兵隊さんなんてきらい!!!」

片足兵「………………」

片足兵「い…いかがかな!?」

レベッカ「え〜〜ん」

片足兵「どこへ行くレベッカ!!」

レベッカ「おうちへ帰る」

片足兵「ダメだ町にも家にも新しい王の仲間達が張り込んでいる!!」

国民「ドフラミンゴ様〜!!」「ドフラミンゴ!!」「ドフラミンゴ!!」

片足兵「………」

ドフラミンゴ「過去何百年貧しい国を営み続けたリク家の王族 終いにゃあ私欲が為国民から金品を奪う浅ましさ!!!おれはこの国に富を与える!!!」

大工「働けるもんだなオモチャも!」

片足兵「金が必要で」

野犬「グルルル…」

レベッカ「きゃー!!」

片足兵「野犬だレベッカ!!!」
「ばあ!!みよ!!私は丈夫!!」

レベッカ「え〜〜ん」

雪の降る中眠るレベッカ
片足兵「兵隊さんは〜勇敢で〜♪いつでもキミのそばにいる〜♪」
(寒いだろうな…ブリキの体じゃ何も感じないが)

片足兵の手を握る
レベッカ「えへへあったかい?」

片足兵「兵隊さんは〜勇敢で〜♪いつでもきみのーそばにいるー♪」
「ああとても暖かい」

「ここの家賃は」

お爺さん「空き家は勝手に使うといいこの村はリク王の軍に焼かれてね 住人はだいぶへった」

レベッカ「あったかーい」

片足兵「窓を閉めなさい」

レベッカ「いや」
「他にもオモチャさん達がいるね」

片足兵「子供達もいる…遊んでおいで 村じゃ人目もある オモチャの法を守らねば…お前が寝入った夜中オモチャの家へ行くが起きる頃には必ず戻ってる」
「いつもそばにいる証拠に毎朝新しい花びらを1枚窓のスキ間から落とそう」

レベッカ「わあ おはよう兵隊さん!」

片足兵「ああ おはよう」

2人で楽しく暮らし成長していくレベッカ

悪党「身なし子だ気にかける家族もなし」「捕まえて売っちまおう」

片足兵「あ!!!うおおおおおお!!!レベッカァ〜〜!!!」

悪党「ギャアァアア!!!ブッ壊せあんなオモチャ!!!」

レベッカ「兵隊さーん!!」

片足兵「すまない私がおたずね者に…」

レベッカ「ふふふ!一緒だねまたお家探そ!私いつか兵隊さんと同じ家に暮らしたいな」

片足兵「戦い方を教えよう!」

レベッカ「いいよ兵隊さんがいるもん!」

片足兵「私の身に何かあった時どうする!?」

レベッカ「お母様が人を傷つけちゃダメだって…」

片足兵「お前が傷つかない方法を教えるのだ!!こい!!」

レベッカ「やー!!」

現在-
レベッカ「………………ずっとそばにいてくれて 何度も何度も守ってくれた」
「………………」
持っていた盾を捨て、花びらと剣を手にしリングへ向かう

ギャッツ「さァ来るぞ!!準備はいいか!?皆の衆!!当コロシアムきっての美少女剣闘士!!!幻の王女!!!こんなにも会場を熱く沸かせる選手がどこにいる!!?」

レベッカ(死なないで兵隊さん…!!)

観客「おお…!!」

レベッカ(私だって……負けないっ!!!)

観客「くたばれレベッカー!!」
「今日こそ斬られろー!!」
「くたばれー!!!」
「リク王の一族ー!!」
「人でなしの一族ー!!」
泣くのをこらえるレベッカ

ルフィ「えー!?何であいつこんなに嫌われてんだ!?すげェイイ奴だぞふざけんな!!あいつおれに弁当おごって」

囚人剣闘士「わかってるよ だがレベッカのじいさんはかつて国中の恨みを買った先代国王なんだ!!!」

ルフィ「………」

次号休載