誰にも話すつもりなかったんだけど
信じてもらえるとも思ってなかったしね。
でもそのスレ読んで自分と同じような
人がいたんだってちょっと嬉しくなって。つーかかなり興奮した。
んで自分の体験も残そうと思った次第です。
信じるかどうかはまぁ
事故判断に任せる。

どう考えても精神病です本当にありがとうございました

初めてあっちに飛んだのは
幼稚園のとき。
その日はお母さんが迎えに来るまで
チョコ食べて待ってたんだ。

そしたら、急に部屋が赤くなったの。
赤いセロハン通して見てる感じ？
でもすぐに戻ったから、不思議に
思いながらチョコ食べてた。
そしたらまた赤になって、戻って。
赤になって、戻って。
その間隔がどんどん短くなってって
目がどうかしちゃったのかと思って
先生のとこにいこうとして立ち上がったら、床に穴空いて落ちた。
実際には空いてないんだけど。
なんか黒いマンホールみたいなのに
一瞬で吸い込まれた。

>>180
至って精神は通常です。
そう思った時もあったけどね。
自己判断に任せるよ。

気がついたらあっちに居た。
ほっそい川の前に体育座りした状態で
なんか本当に気がついたら居た、
って感じ。

この川がこっちの世界から
あっちに飛ぶ時の出口になる。
飛んだあとはいつもこの川の側に
体育座りした状態。
幅は横断歩道くらい。
川って言っていいのかどうなのか……
でもすんごい長いのね。
終わりが見えない。一回川沿いに
歩いてったことあるけど、
3時間くらい歩いても全然先見えなくて
戻れなくなったら困るから
そこでやめて元の場所に戻った。

そのあとどうしたのかまでは
覚えてないなーごめんなさい。
ただ怖くて怖くて。
もう動けなくて。幼稚園でチョコ食べてただけなのにここどこやねん、と。
母親に迷子になったら下手に動き回らないで近くにいる大人探しなさいって
言われてたからとりあえず立ち上がって探そうとしたのね。
んで川の近くにあった階段あがろうと
した瞬間こっちに戻った。

これが最初。
なににびっくりしたってさ、
こっちに戻ってきたら口の中に
チョコの味が残ってたこと。
あっちの世界で食べてないし
ていうかむしろ口カラカラだったし。

完全にあっちでの出来事がなかった
ことにされてたの。

んでこっから結構頻繁に
あっちに飛ぶようになる。

自分も段々学習してきて、
下手に動かずに元の場所にいれば
すぐ戻れる、と。
この頃の自分は自分が別の世界に
いるなんて思ってなくて、
全然知らない場所にテレポートする
力がついてしまったんだ、って
思ってた。

前兆は周りが赤くなって戻って……
チカチカチカチカ！ってなるのね。
それが来たら、あーまた飛ぶんだ。
って感じ。

飛んだあとはひたすらじーーっと待つ。体育座りのままじーーっと。
そしたらいつのまにか戻ってる。
10分くらいの時もあれば
一日中いる時もあった。
あの時は焦ったねー川のそばで号泣。
もう戻れないんだって思って
大泣きして鼻水だらっだら流して。
そしたら次の瞬間戻ってて。
まぁ案の定涙も鼻水もなかったことに
されてたので母親になにも言われなくて助かった。めちゃくちゃに抱きついて怪しまれはしたけどね。
あの時が1番怖かったかも。

そんな日々が続いて。
飛ぶペースは月に0〜3回。
全く飛ばないときもあったし。
結構バラバラな感じ。

んで自分が違う世界にいるんだって
気がついたのは、小学校6年生。
あっちの人間に会ったとき。
その人の名前は本名か知らないけど
「きまなち」って言う。
どんな字？って聞いたらほんとに
「きまなち」って書かれた。

40歳くらいのおじさん。
ちょいハゲてる。最近ひどくなってる。堺雅人にメガネかけて若くして
ハゲさせた感じ。

その日もただ体育座りしてじーーっと
川眺めながら戻るの待ってたのね。
そしたら今まで誰も降りて来なかったし上がろうとも思わなかった階段から
カンカン降りる音が聞こえて。

慌てて振り向いたらそこにきまなち。
自分も驚いたけど、きまなちも
相当驚いてた。口と目と鼻の穴と。
もうすべてあんぐり。って感じ。

こっからきまなちと自分の会話ね。
あんま覚えてないけど大体こんなん。

きまなち以下き「そこでなにしてる！？」

自分以下自「へ、あ、あ」

き「どこから来た！？ここがどこか
知ってるのか！名前は！？」

自「え、えと、○○ってとこから、
あの、自分って言います。なにも
してないです。本当です！」

ここがなんか入っちゃいけない
ところで、自分が怒られると思って。
どっさにそう言った。
まさかテレポートしてるなんて
言えなかったし。

き「とにかく来なさい！ここに
これ以上居たらいけない！」

自「え、や、ダメですダメです！
なにもしてないですから待って下さい！」

き「いいから！」

自「なにもしません！本当です！
ここにいないと家に帰れなくなるんです！」

とにかく必死だった。
川から離れたらこっちに戻れなくなる
って思ってたからね。

そう言ったらきまなちはまた目見開いてやっぱり、みたいな顔して
ふーって長いため息した。


き「安心しなさい。あとでもう一回
ここに連れて来てあげるから。
そうすれば元の世界に戻れるから。
でも今ここにいたらもう戻れなくなる。お願いだから一緒に来てくれ」

そう言ってきまなちは返事も聞かないで自分の腕引っ張っていって
階段駆け上がっていった。

階段上がり終わって初めて、
あっちの世界を見た。